大きくする 標準 小さくする

『真島組』 3年生が語る最後の想い

2010/11/11

『お前たちを日本一にする』
初めて彼らと会って言った言葉。あれからはや約7ヶ月。。。。
志半ばにして夢破れた赤黒の戦士達が最後に語る想い。

 

 〈NO8 真島泰斗〉
 僕は小学校4年生からラグビーをしており、中学校でもそのままクラブチームで続けました。中学校時代は、ラグビーと両立してバスケもしてました。
そして摂陵高校に入学しました。高校に入ったらバスケ部に入ろうと思っていたら、廣瀬先生にラグビー部に誘われて、そのまま気づけばラグビー部でした。
高校一年生のときは、一回戦敗退。2年生のときは、1回戦は勝ちましたが、2回戦ではボロ負けしました。そして3年生になり、キャプテンになりました。最初は合同チームの危機でとても苦しかったけど、1年生がたくさん入部してくれて、何とか単独チームで出ることができました。春から藤森先生も来てくれて、今までとは全然違う頭を使った練習ができるようになりました。春からチームは勝ち続けましたが、合宿前からなかなか勝てることが少なくなり、合宿では2勝しかできませんでした。キャプテンの難しさ、みんなをまとめることの難しさを知りました。そして夏合宿が終わり9月12日から公式戦が始まりました。予選リーグを勝ち上がり、ベスト8をかけて、高津高校と試合をしました。結果は5-7で負けてしまいました。僕は涙が止まりませんでした。負けはしたものの、『真島組』になってから一番良いゲームだったと思います。
ラグビー部で学んだことは、人との出会いに感謝することが大切だと思いました。藤森先生がここに来てくれなかったら良い練習はできなかったと思いますし、廣瀬先生に出会ってなかったら今頃バスケ部だったかもしれません。僕は本当に恵まれていると思いました。この『真島組』でラグビーができてよかったです。後輩には必ず日本一になってほしいと思います。ありがとうございました。
 
〈CTB 小仁勇樹〉
僕は高津戦2週間前に三角靭帯を損傷してしまいました。正直、めちゃくちゃ腐りました。
先生が『試合に出たいか』と言って下さって、僕は『出たい』と言いました。本当は半信半疑でした。でも、チームメイトが『お前の怪我の分は俺らがカバーしたるからお前は精一杯やれ』そう言ってくれました。その日から、自分に出来ることをやろうと思い、がむしゃらに練習しました。当日、テーピングをグルグルに巻き、痛み止めを2錠飲んで、試合に出させてもらいました。自分的には満足いくプレーが出来なかったのですが、試合後藤森コーチが『お前はいつもの120%やった』そう言ってくれて、涙が出ました。
試合に出させてもらえたこと、誇りに思います。3年間ありがとうございました。
 
〈LO 小林大樹〉
 高校3年生になってからの約半年、この時間が私にとって一番濃密な時間だったと思います。藤森先生に出会い、一年生がたくさん入り、私たちの意識とラグビーに対する情熱は変わりました。
一番変わったのは居残り練習だと思います。FWのみんなでラインアウトを満足いくまでしたり、スクラムを何本も組んだり、オープンでサインを確認したり、ポジションごとのスキルアップ、自分たちのしたいことを納得いくまですることができました。気がつけば、8時、9時、帰ってご飯を食べて寝るだけの日々が続きました。今までこんな生活をしたことがなかったので、ラグビーをしている実感をとても感じました。
そして引退、自分たちはもうこのグランドにずっと残ることも無いと思うと、試合に負けたことがとても悔しいです。でも、こんなに悔しいのも自分たちがラグビーに捧げてきた気持ちが大きかったからだと思います。
私はラグビー部に入って、先生、メンバーたちに出会えて本当に幸せです。そして、ありがとうございました。高校ラグビー、さようなら。
 
〈FB 佐藤智大〉
 3年間お世話になりました。最初はラグビーを好きになれない時期があって、実は何回か真剣にやめようかと考えたこともありました。2つ上の先輩が引退して、いろんな言葉をかけてもらい、とりあえず続けようと思いました。それでラグビーをしていくうちに、最初嫌いだったのがだんだん楽しくなってきました。キャプテンが真島になり、自分達でメニューを組んで、それが正しいかどうかわからないままやっていて不安だったとこに藤森先生が来てくれて、初めてやるような新鮮なものが多い中にも、基本的な練習もあって基本スキルの重要性がわかりました。藤森先生のラグビーはやっていておもしろくて、またラグビーが好きになれました!廣瀬先生の熱くガツガツ行くラグビーも好きでした!
この環境でラグビーができて幸せでした。本当にありがとうございました。最高の監督とコーチに出会えて良かったです。
 
〈HO 庄村光史〉
 僕は、このラグビーで多くの経験や大切な仲間を得ることができて本当に幸せでした。そしてこの3年間指導してくださった廣瀬先生と、短い間でしたが早稲田ラグビーを教えて下さった藤森先生、本当にありがとうございました!
 
〈SH 菊地 雄大〉
 この3年間ラグビーをしてきて多くのことを学びました。ラグビーのスキルだけでなく、日常生活の態度の大切さ、Aチームが背負うべき責任感、日々の積み重ねの大切さ、いろんなことを先生方には教わりました。本当にありがとうございました。
 この真島組は2年生のとき15人いない中で、手探りのようにキャプテンが練習を決め、練習をしていて部員全員がなあなあになりかけたり、合同チームになるかもしれないなど、苦しい時期がありましたが、部員全員が協力し合ってなんとか乗り越えてきました。そして、3年生になって早稲田から藤森コーチが来てくれました。初対面のときはなんか無愛想かつ、ノリもわかってないなと悪印象だった。でもよく話してみると、めっちゃ標準語やけど面白くて、自分たちの近い目線で話しかけてくれる兄さん的存在で、しかもラグビーについては自分なりの理論を持っていて頼れました。それから部員全員が目指す目標を決めると、一気に盛り上がってきて弱小チームがだんだんいろんな高校に勝てるようになってきて、さらに盛り上がって勝つことの楽しさ、ラグビーの楽しさを知ることができました。
そして、ラグビー部で遊んだりすること、居残り練、練習後の部室でのしゃべりがめちゃくちゃ楽しかったし、ガチ練やフィットネスなどのしんどい練習も今思えば、その一つ一つが良い思い出になったと思う。
真島組のみなさんありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
平群先生、廣瀬先生、友次先生、藤森コーチ今までいろんなことを教えていただきありがとうございました。本当に感謝しています。
 
〈WTB 辻井智紀〉
 『10月31日、早稲田摂陵VS高津 5対7』
『10月31日』それは自分たちにとって一生忘れることのない日です。
この日に、僕の高校ラグビーは終わりました。思えば去年の西口先輩達の代が引退した次の日に真島組は始動しました。練習メニューはキャプテンの真島が考え、正しいのか間違っているのかわからないけど少ない人数で必死に練習してきました。しかし、1月の新人戦の1回戦に強豪とは言えないチームに大敗してしまいました。その時はめげそうになりましたが、みんながいたから切り替えてがんばることができました。そして、チームがイイ感じになり始めた4月に、藤森先生が早稲田大学から来られました。4月の高校総体リーグ戦3試合は全勝し、藤森先生が言っていることをしていると勝ちしかありませんでした。5月、6月はそこそこの強豪に対して圧倒できてました。本当に調子が良かった。しかし、7月に入り自分も含めて怪我が増え、勝てるチームに負け同レベルのチームにぼこられて、チームもグダグダになり雰囲気も最悪でした。そして、8月の菅平合宿で早稲田大学との合同練や強豪校との試合で自分に足りない部分を痛感しました。
9月に入り大会が始まりました。しかし、納得できる試合なんてできず、一応勝ち、危機感で10月、チームの雰囲気、意識は最高潮に本当にこの10月は1年間ぐらいに感じる濃厚な1ヶ月やったと思います。藤森先生が4月から言い続けてる
『早稲田に負けは許されない』
という文化を破ってしまったのが本当に悔しい。
自分は一年野球、2年にラグビーを始めたのにみんなは嫌な顔せず教えてくれて、3年は藤森先生に出会って、本当に良かったです。負けて庄村が言った、このメンバーで朝練して、授業受けて夕方からまた練習して居残り練していっぱい語って、部室でバカやって、みんなで一緒に帰ることがもうできひんねんなということを実感しました。廣瀬先生、藤森先生、ラグビー部のみんなとマネージャーともう一緒にラグビーができないのが寂しいし、悔しいです。本当にラグビー部入ってみんなと出会えてよかったです。高校野球と高校ラグビーを2つ体験した経験を糧にして次のステージでがんばりたいです。
応援してくれたみなさんありがとうございました。
最後にみんな大好きです♡
 
〈SO 吉田匡〉
 3年間でラグビーから私は『仲間の大切さ』を学びました。1.2年生のときは、廣瀬先生に体力や精神を鍛えてもらい、3年生の4月から藤森先生に『早稲田』の素晴らしさを教えてもらいました。本当に早稲田摂陵ラグビー部でよかったです。これからも最高の仲間といろいろとがんばっていきたいです。
応援してくれたみなさん本当にありがとうございました。
 
〈HO 安原圭佑〉
 入学式の日に小嶋に誘われて最初はぜんぜん入る気がなかったけど練習の雰囲気の良さややっていくうちにどんどんラグビーが楽しくなって入部しました。
入部した当初のポジションは兄が遅いのにWTBでパスもキャッチも何もできないWTBでした。9月になって先輩たちが引退してすぐあとの練習試合で、試合直前にLOをやれと言われてその日いきなりFWになりました。その次の日も練習試合で、またFWの人数が足りなくなってやっぱりLOで出ました。試合中は何をしたらいいのかわからず、怒られてばかりでした。でもこの2日間があったおかげでFWの楽しさや、苦しさも知ることができました。その後はずっとLOでそのまま昨年の最後の試合でも4番で出ました。前の3年生が引退した後は、人数が足りなくて合同チームになりかけたけど、春になって1年生がたくさん入部してくれてとても嬉しかったです。藤森先生が来てからの練習は、とても頭を使うし、一つ一つの練習にも密度の濃い内容がつまっていて、とても驚きました。春の大会でもリーグ戦では全勝することができ、とても嬉しかったです。
5月からはBチームだったけど、7月くらいまでは上宮太子にも勝ったり、色んな所と試合をしてとてもよい雰囲気でした。でも合宿あたりからは負けが続いて少しチームの雰囲気が落ちてしまいました。でも10月からはチームの雰囲気も今まで以上に上がり、万全と思える状況で高津に挑みました。結果は5-7で負けてしまったけど、このチームでラグビーができたことを誇りに思います。
この3年間のラグビーを通じて勝つことの厳しさやチームプレイ、集団で一つの目標に向かって努力することの大切さを学ぶことができました。3年間ありがとうございました。
 
〈HO 竹口諒〉
10月31日引退しました。いざ引退して思うことは改めて3年間はとても早かった。
ずっとスクールでラグビーをしていて、高校でもラグビーをすることは決めていた。ラグビー部で最初に声をかけてきたのは小嶋だった。そのときは制服を着ていたのに
『スクラム組もうや』とか言うから、こいつ『何言ってんねん』と思った。あと、中学のときスクールで一緒にやってた真島がいたこともほんまにおどろいた。まさか同じ高校とは思っていなかった。
そんなこんなでラグビー部生活は始まった。前田さんの代はほんまに面白くて、毎日が楽しかった。それから西口さんの代は3年生が3人しかいなくて一時は合同チームになりかけたけど、なんとか免れてよかった。でも自分だけでラグビーをできるか心配だったけど、真島がキャプテンになってチームをよくまとめてくれた。
最後の半年は藤森コーチにも来ていただき、弱かったチームを成長させてくれました。最後高津高校に負けてしまったけど、昔のチームだったら勝てなかったと思う。だから悔いはありません。3年間ありがとうございました。
 
(FL 小嶋克紀)
 藤森先生が4月にこの学校に来て、コーチングしていただいて、いくつもの戦術や戦い方を教えてもらったが、一番大きく僕たちが学んだことは、ワセダラグビーにおいて負けることはすべてが否定されるということ。つまり、負けられないということだと思う。
例えば、今までの僕たちなら、1つ格上のチームや強豪校には、心の片隅ではたぶん『どうせ勝てないだろう』という感情が少しあったと思う。さらに、同格クラスのチームと試合をしても競り負けることもあった。だがしかし、4月から藤森先生が来て、初日に早稲田の精神を強く言われて、僕たちの心の中に『死んでも負けられない』『何が何でも勝つ』という気持ちが宿った。その気持ちがあったおかげて7月まで勝ち続けることができたと思う。
あと、4月から始まった体重を7kg増やす計画だけど、私は82.7kg→90.3kgまで増やすことができ達成したけど正直な話を言うと、水増ししまくってずるしてました(笑)。
測定後、トイレに行って吐きまくって用を足した後に、体重を測ると、いつも4kgは減っていました・・・。こんな苦い経験もあったけど、7ヶ月間ほんとに楽しかったです。ありがとうございました。
 
(LO 原田広大)
 自分は、今年の春からラグビーを始めました。その時は、人数が足りなくて顧問の廣瀬先生とキャプテンの真島に誘われて人数合わせとして入りました。そのときは、本当にラグビーのことは何も知らず、他の皆の足を引っ張っていただけだと思います。ですが、4月には早稲田大学のほうから藤森という『最強の男?笑』がラグビー部のコーチに!!又、多くの一年生が入部してくれました。藤森コーチの熱きご指導やチームメイトの多くのサポートもあり、チームの足を引っ張らないと程度には成長できたと思います。
しかし、先日の高津戦で自分たちは引退してしまいました。本当に悔しかった。もっと自分が練習してきっとラグビーが上手くなっていたらと今は後悔と負けの許されない早稲田ラグビー部として、藤森コーチをはじめ今まで苦楽をともにしてきたチームメイト、最後まで応援してくださった保護者の方々に日本一という恩返しができなくて申し訳ない気持ちで一杯です。ですが、このくやしい気持ちをバネにして大学ではもっとチームの役に立てるよう頑張っていきたいと思います。今度こそは日本一に・・・・!!
最後に、廣瀬先生や藤森コーチ、チームメイトのみんな最後まで応援してくれた保護者の皆様、今まで本当にありがとうございました。
 
(PR 上辻嘉基)
 僕のラグビー部としての生活はこの前の高津戦で終わりを迎えました。思えば、この3年間はいろいろなことがありました。1年のとき、先輩達のしごきや雑務をしながらも、早く先輩達に追いつきたくて、同期の仲間ともくもくと練習に励みました。新チームになり早稲田が校名について、2年では、部員の減少でチーム存続の危機に陥って、合同チームになりそうな時期もありました。それでも、なんとか単独でやりたくて、必死に部員を集めて、ギリギリ15人でラグビーをすることができました。
 そして、3年。3年は僕たちにとって大きな転機だったと思います。それは藤森先生が来てくれたことです。最初。先生が『お前たちを日本一にする』と言ったときは、正直な所、呆気にとられました。でも、先生に指導してもらってから僕たちのラグビーに対する意識はどんどん変わっていきました。一つ一つのプレーにプライドを持ったり、勝つことに執着心を持つなどです。さらに、優秀な1年生がたくさん入部してくれて僕たちの穴を埋めてくれました。今年は、今までで一番楽しくラグビーをしていたいとおもいます。
 しかし、僕たちは高津との試合に敗れてしまい、引退することになりました。ノーサイドの笛が鳴った瞬間、僕は夢であってほしいと本気で思いました。雨の振る中グランドを後にし、少ししてから涙がこみ上げてきてとまらなくなりました。あんなに泣いたのは久しぶりでした。『このチームで、このメンバーともっとラグビーがしたかった』と泣きながら強く感じました。
 この3年間で僕は仲間というかけがえのない物を手に入れました。また、廣瀬先生や藤森先生、平群先生に友次先生と、ここに書ききれないほどのたくさんの方々にお世話になりました。本当にありがとうございました。摂陵での生活は僕にとって一番の宝物です。今までありがとうございました。