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VS大阪桐蔭 『日本一のチームを肌で感じ見えた世界。荒ぶるへの道筋とは・・・・』

2013/04/25

春季大会2戦目
VS大阪桐蔭

 
新人戦決勝に引き続いて、春季大会でも対戦することとなった大阪桐蔭。
大阪桐蔭は先の選抜大会で日本一になり、今現在高校ナンバー1のチームである。
新人戦決勝で完膚なきまでにやられた相手に対して、この2か月間で差を縮めたのか、開いたのかを確認する試合であった。そうゆう意味で、今後の早稲田摂陵を占う重要なゲームであることは間違いなかった。
前回は我々が自信を持っていたスクラムが崩壊。平均体重93kgのFWが押されているあの光景は衝撃的だった。スクラムからプレッシャーを受けてはラグビーにはならない。それが格上相手ならなおさらのこと。セットプレーの安定こそ格上相手に勝利する最低条件である。加えて、相手10番に試合をコントロールされたので、いかにして彼を押さえるかがポイントであった。


 
11時10分 kick off
 
キックオフから相手のキックをキャッチするとそのままダイレクトタッチにしてしまう。格上相手に対して、またビックマッチでイージーなミスをすることは基本スキルが低い証である。精神状態も含めて同じ土俵に立てていない入りであった。
前半2分、ラインアウトATから相手に一発で抜かれてしまうなど試合の入りの悪さが目立った。その後も立て続けに2トライされ主導権を奪われる。日本一のチームは相手のミスを逃さない。
アップをしていても声の大きさからしても違う。声を出して人を鼓舞する、自分を鼓舞できない選手は1流にはなれない。このあたりからも日本一のチームとは違った。
 
試合は前回の修正を踏まえ、スクラム戦ではイーブン、押す場面もありこの2か月間の成長の姿が見えた。3番が出ていなかったのは差し引かなければならないが・・・・
ゲームプランを実行していくと、前回とは違う試合展開に。
エリア合戦で前半はイーブンに持ち込むと、相手陣地で得たラインアウトからモールATを仕掛け、そこから出たボールをSO・平尾が相手をかわしトライ。キックも入り7点を獲得する。
前回は完封された相手に対して1トライ返すことができたのは自信になっただろう。
その流れに乗って再度ゴール前に迫るが、最後はミスをしてチャンスを逃す。


 
ハーフタイムでいくつかできていないポイントに対して修正を与えた。
 
後半に入っても相手の攻撃力の前に徐々に押されていきトライを与えてしまう。崩された形のトライではなく、カオスの状態でのDFに課題が残った。この部分はコミュニケーションと判断の部分。DFにおいても判断と最後の踏込みが足りず、ゲインを切られてしまっていたので修正が必要であろう。さらには余られているわけではなく、人がいるにもかかわらずタックルしなかったシーンなどがあった。数名はこの土俵に立つレベルではなかったのも事実であろう。
 
前回の試合では0-89.
今回は7-48.
 
この結果を捉え、分析し秋までに追いついていかなければならない。
通用したこと、通用しなかったことを見極め早急にレベルアップしていかなければならない。だが、この2か月で間違いなく点差は縮まった。それは我々の素人軍団がラグビーを学べば学ぶだけ伸びるということだろう。彼らが想像を超える努力をしたとき、早稲田は同じ土俵に立つ可能性はある。変われなければならない、変えなければならない。誰が変えるのだろうか?誰が変わるのだろうか?目に見える変化が数名には感じる。しかし、数名ではいけない。すべての選手が変われなければ早稲田は沈んでしまうだろう。
問われている、プレー、発言、コール、姿勢、態度の劇的な変化。
確かに見えた『荒ぶる』への道筋。努力こそ『荒ぶる』への最短距離。


 
 
 
 
藤森コーチ
 
まずは試合以外の部分で気になったことがある。相変わらず声の出ない集団です。アップを見て、相手の声の大きさがこちらに響いてきました。ここらへんが1流との違いですね。人を鼓舞して自分を高めることができる選手がうちにはいません。キャプテンよりも太郎が一番声を出していることがチームの象徴ですね。これはリーダーシップの欠如でキャプテンとか関係なく、チーム全員がしなければいけないこと。強いチームは練習中うるさい。声を出せない、出さないのは自信のなさの表れだと考えている。自信がないのは練習不足の証。つまり、彼らは練習不足です。出来ないことに対して真摯に取り組み、周りも真剣にさせることができる3年生がいない。2年生に甘え、1年生に甘えて。コーチがいないときに自分たちでポジション練習できているチームは強いよね。少し強くなって勝てるようになっているから完全に手を抜いて甘んじている。体重の数値を見れば、ラグビーに対する姿勢が出ています。
2年生はこのままでは1年生にレギュラーをとられるだろうね。今の3年生とはフィジカルに対するこだわりと練習量が少なすぎる。この原因は明確で経験者が阻害している。
経験者は素人よりもスキルがあるのでなんとなく試合できる、でも強い相手にはまったく通じない。フィジカルを軽視。ここあたりが津志田の代はほとんど素人だから言われたことに対して目標を達成してくる。
この大会が終われば1年生もレギュラー争いに加わってくる。うちはまじめな選手、練習をたくさんする選手、結果を出す選手を使う方針。そうゆう意味で上級生は危機感を感じないと抜かれるだろうね。
試合の感想は、予想通りの点差です。これぐらいになるだろうと最初から計算していました。他のコーチとの見解も同じ。相手は日本一のチームであり、自分たちが足りない部分がよく見える試合だった。ネガティブな部分もあったけどもちろん良い部分もありました。
しっかりとチームの現状を選手に伝えなければならない。追いかける側は相手よりも努力していかなければならないし、ラグビーの頭の部分をもっと鍛えていかなければならない。それにはミーティングが不可欠で、最近では映像機器が充実しているので助かっています。これは保護者の皆様のご協力のおかげです。リーグ戦はあと1戦残されているのでがんばります!