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コーチ部屋

『信頼と裏切り』

投稿日時:2012/09/03(月) 19:21

なぜこのような結果になったのか。彼らを信頼していたからこそ裏切られた気持ちだ。
今年のチームならあり得ないことだと思った。大会前にこの意識の低下は絶対に許されない。
正直、とても失望した。怒りは収まらない。あれだけ時間をかけてやってきたことが一瞬にして崩れ去った。何か月もかけてやってきたことが、一瞬にして取り戻すことができなくなった。一度崩れたものを立て直すのには時間がかかる。
その予兆はあった。最近の3年生を見て感じ取っていた。すべてが甘く、3年生としての姿勢を誰一人として示せていなかった。それどころか全員が足を引っ張っていた。そして、すべてこの日につながった。その結果を見て、監督やコーチ陣が納得すると思ったのか?
誰か気付なかったのか?誰かその過程の中でチームに一声かける人物はいなかったのか?
『熱』を伝えることができる人物はいなかったのか?
君たちの意気込みは口だけだったのか?目標はそんなものだったのか?
あの数値を見たときに、許されなかった。彼らにラグビーを教える気にならない。
そんな選手にラグビーを教えるつもりはない。
早稲田ラグビーを背負う者として早稲田を語る資格はない。
2年生以下も同様だ。自発的に物事を考えられない人間、注意されてからしか気づけない人間、与えられたことをクリアしてこない人間、今年3年生のためにすべてを懸けられない人間に、来年ラグビーを教えるつもりはない。
 
再三の警告を聞かなかったウエイトリーダー。人の話を、人の注意を聞かないからこのような事態に陥ったのだ。君はリーダーとして何をしていたのか?リーダーとは何なのか?何度も注意し方向を示したはずだ。いつのまにかノートを書く習慣はなくなり、おにぎりを7個持ってくる習慣はなくなり、体重チェックする習慣はなくなった。慢心、おごり、甘え。
これは弱いチームの体質だ。強いチームは必然、すなわち習慣化されたものがたくさんある。これが強いチームと弱いチームの違いである。
 
全部員に言っておく。
森が来てくれるのは当たり前ではない。そんなことがわからない人たちに、来てもらう資格はない。君たちが返すのは感謝の言葉でない。目に見える結果だ。それがすべてを支えてくれる人たちが喜ぶこと、望んでいること。
 
早稲田ラグビーは勝つことがすべて。勝つことで生まれるものを求めている。勝つことがすべてを肯定し、負けることが否定すること。早稲田ラグビーは常に勝ちを求められる集団であるべきだ。誰にも負けたくない、負けられないという意識が早稲田摂陵を強くしてきたはずだ。
もう一度言っておく。すべての出来事や関係性は当たり前ではない。ラグビーが出来ているのをすべての人に感謝するべきだ。今ある環境や生活があるのも当たり前ではない。
君たちがやっている行為は3流だ。求められたことすらできないのは3流。求められたことだけできるのが2流。求められたこと+αでやってくるのが1流である。それがわかるチームだけが全国に挑戦する権利が生まれるチーム。

『強制と自由』=『東福岡と筑紫』
強制の先に自由がある。
まずは、強制でやらせる。
なぜなら、人間は弱い動物だから楽な方に逃げるから。
強制でやらせて、自分たちでできるようになったら自由にやらせる。
この時、自由にやっても弱くはならない。
なぜなら、やらなければいけないレベルを覚えているから。
弱くなるどころか、強くなる。
なぜなら、強制される以上のことを自分たちで自由にできるから。
だから、自由なチームは強制されているチームよりも強い。
ただし、初めから自由にやっても強くならない。
なぜなら、甘えて楽な方に逃げるから。
初めから自由なチームは、強制されているチームに負ける。
 
筑紫高校の監督はこのことを理解して述べている。早稲田摂陵よりもはるか遠くを走っているチームだと感じた。
 
練習中誰か一人でも声を出していないプレイヤーを見つけたら、声が枯れるぐらい腹の底から出していない選手に今後一切指導しない。
おれがグランドに戻るかどうかは君たちの姿勢次第。
変わらない選手が一人でもいたら俺は戻らない。