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VS 常翔学園 「未知なる領域」

2012/01/29

完膚なきまでに叩きのめされた。それ以外の表現が見当たらない。さすが全国3位、大阪でトップを走り続けるチーム。何も言い訳ができないほどの試合であった。
すべての選手が一流であったが、特に相手CTBは秀逸の一言。彼から始まる攻撃は、まったく抑えることができなかった。さすが、2年生から、高校JAPAN候補に選ばれるだけの逸材。
 
 
 
 
1月29日 VS常翔学園
 
この大会を臨むにあたって、ATの練習しかしていなかった。それだからこそ、逆に0点という結果は重くのしかかった。甘いかもしれないが、現時点で2トライがほしかった。ラインアウトATから形は作れた。ほぼパーフェクトに獲得し、強みを生かした。しかし、モールでは相手にプレッシャーを与えられるほどの、威力を発揮できなかった。ここからが、彼らが成長しなければならないエリア。
組むだけでなく、相手がどこでも粉砕できる、力強いモールを手に入れなければならない。
Bシード相手に通じることが、Aシード相手にはまったく通じなかった。BシードとAシードの間に、ここまでの差があるとは想像してなったのは事実。ここは指導者としての認識の甘さ。幸い残された時間はまだまだある。すべての面で、ラグビーエリートに追いつくことは不可能。これは当初からわかっていたこと。それならば、彼らに対抗できる武器(強み)を持って戦うしかない。脅威を与えられるような、強みを作っていかなければならない。
試合は、開始早々のライアウトDFで、相手にあっさりトライを献上した。プレースピードの違い、相手の仕掛けの巧みさ、すべてが未知の体験だったに違いない。そのあとは、リズムを掴もうと、ATを試みるがイージーなミスで相手ボールになると、失点しまうパターンの連続。一瞬孤立すると相手が牙を剥いて襲ってきて、ターンオーバーからトライを献上する。チャンスと見るや、DFからATの攻守の切り替えの速さで相手ゴールに迫る一瞬の集中力は別格。学ぶべきところがある。
うちのチームは、DFはDF、ATはATと思考回路がなっているが、彼らはDFをしている最中にも、ATのことを考えてDFしている。これは良い選手、良いチームにはありえないこと。DFはATの始まりであり、ATはDFの始まりである。ここの意識と習慣化されたプレーレベルの違いかなと痛感した。
後半はほとんど攻める機会がないまま、試合終了の笛を聞いた。
 
ただ悲観しすぎる必要はない。ラグビー歴の浅い彼らが、この時期に、『本物』を肌で実感し、現状の足りないところを認識できた。何度倒されようが向かっていった。常翔相手にも、ド素人が刺さって仰向けにした。
『一歩踏み込む勇気があれば、すべては変わる』
早稲田のタックルは、人の心を震えさせ、熱くさせることができる。クレイジーなタックル、彼らにはまだまだ届かない未知の領域である『狂気』。これは、真剣さと練習が生み出す早稲田独特の領域。早稲田大学の寄せ書きで、何度も目にした『狂気』という言葉。これを使いこなせる人物が、何人これから生まれてくるのか。生まれてこなければ、早稲田は、海底に沈んでしまうであろう。言葉ではなく『体現』しよう。
次は4月のリーグ戦。嵐の海を抜け切れるのか。この激戦区・大阪はそんなに甘いものではない。だからこそ、この2か月余りの時間で、他のチームより成長しなければならない。日本一の成長をする。トップ6以外の2番手グループは団子状態。まずは一歩抜け出すためにオールアウト。
 
藤森コーチ
今日の試合では、常翔学園に手も足も出なかったね。前半は5トライと少し耐えたが、前半のボディーブローが後半に来て、完全に足が止まってしまった。ボクシングと似ている感じ。ジャブを打たれて、足を止められたところでストレートを打たれてしまった。今までの相手とは格が違ったなと・・・・・。強いチームは、必ず後半に得点を重ねてくる。それは、前半にフィジカルダメージを負っているから。まだまだ、フィジカル不足とコンタクトフィットネス不足。
課題はいくつかあるけれど、まずは相手よりも自チームの強みを作るところから。最終的なイメージはあるので、どれだけ理想に近づけるかだと思う。本当に強いチームと同じことをしていても勝てないだろうし、あのようなラグビーはうちの戦力と経験では難しい。
早稲田摂陵にあったスタイル、オリジナルのラグビーを築いていかなければならない。
ただ、一歩一歩着実に進んでいることは間違いない。一昨年よりも、昨年、そして今年と少しずつラグビーらしくなってきた。
まだまだ、意識が低く、体重の管理やウエイトの管理など、自分たちでできていないのが差に表れている。常翔学園だったら、そのような意識の選手はいないはずだし、そうであったらすぐに下のチームに落とされてしまう。うちはそこまでの選手層がないので、いつのまにか甘えやチーム内で強いという誤認が生まれてしまう。本当に強いチームを想定して目標を高く置かなければならない。
よくあるのが、高校で有名な選手が大学に行ったらダメになるケース。これは、環境がすべて人を変えてしまうからである。高いレベルに身を置けば、そのレベルにいずれ慣れ、成長していくが、自分より低いレベルの環境にいると、いつの間にか努力を忘れ、怠けてしまう。すべての選手がそうではないが、これは少なからずあること。
毎日常翔や仰星をイメージして練習しなければならない。この試合を通じて選手がどう思うのか、どう感じるのか。下を向いている暇はない。現実はそこにある。
努力し、四月の大会で差を詰めなくてはいけない