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ポスター作成者・吉谷吾郎氏から学生へのメッセージ

2014/04/17

『いつもポスターをつくっている人から、学生たちにメッセージが届きました』
そのまま掲載させていただきます。
その前に少し前置きをさせていただきます。

彼の素晴らしい精神や仕事ぶりはラグビーから学んだものだと思います。
そこにあるのは人間の根底で持つべきそこにいる人間を愛する能力、『愛情』であり、誰かの為にしてあげたい、無償の愛です。
これは持っている人と持っていない人がいます。
早稲田愛に溢れている彼にはいつも無理を言って仕事を依頼しますが、断られたことはありません。
これは、私が尊敬してやまない大西鐡之祐先生もおっしゃっていたことで

「そこにいる人間を愛する能力だ。これは天性なんだ。ない人間にはないんだよ」 (知と熱より)

つまり、人間が持つべきものとして大切なことは他者への愛情だと我々二人、そしてコーチは考えているわけです。
早稲田摂陵高校ラグビー部ではそのような人間を育てる為に、ラグビーというスポーツ、早稲田という伝統あるラグビーを通じて学んで、これからもワセダラガーマンを育てていきます。
それでは彼からのメッセージをお読みください。




早稲田摂陵ラグビー部のみなさんへ。

 

・ラグビーにまつわる頼まれごとは、

 ほとんど断らないようにしています。

 たとえば、早稲田大学ラグビー蹴球部から

 「早慶明チャリティーマッチのロゴ、

 ポスター、Tシャツをつくってくれないか」とか

 「最後の国立早明戦を満員にしたい。

 ロゴやメッセージをつくってくれないか」とか‥‥。

 いつもお声がけいただき、ありがたいことです。

 その中でもとくに断らない、いや、

 むしろ「是非、ほかにも何かありますか?」

 と言いたくなるのが、早稲田摂陵ラグビー部です。

 

 ラグビーというスポーツをやっているあらゆる団体は、

 例外なくいつもお金に困っているので、

 「ノーギャラだけど‥‥」という条件がつきます。

 それでも、ぼくは「ありがとうございます」と、

 引き受けさせてもらっています。

 「は?ヒマなの?ニート?」と思うかもしれません。

 いいえ、1円ももらえなくたっていいんです。

 ちなみに、ちゃんと仕事しています。

 

・いま、広告という「人に伝える仕事」をしています。

 広告にはかならず目的があります。

 モノを売りたいとか、人を集めたいとか。

 それを果たすために言葉やデザインの力を使って

 「どうすれば伝わるか」を考える、そんな仕事です。

 

 ぼくは大学現役のとき、公式戦に出られなかったので

 部に対して何も貢献できていなかった、と言えます。

 それでも、ラグビーを通して出合った人たちが、

 今のじぶんにとっての宝物になっています。

 だからこそ、なのかわかりませんが、

 「卒業してからラグビーにたくさん恩返ししよう」

 そんな思いが、とても強いんですね。

 だから、今のじぶんにできることで、

 ラグビーに役立つものがあるなら、すべてやりたい。

 本気でそう思っているんです。

 

・話をもどすと、早稲田摂陵ラグビー部、

 より正確に言えば、藤森コーチからのお願いは

 どんなに仕事が忙しくて眠れない日々がつづいても、

 無条件に「オッケーです!」と言ってしまいます。

 どうしてかと言うと、先ほど話した理由もありますが

 何より、じぶんと同じように『思いが強い』からです。

 

 藤森さん(高校・大学の先輩なのでこう呼びます)は

 教師という立場で、ラグビーに恩返ししています。

 よりたくさんの高校生たちにラグビーを通して、

 人生で大切なことを教え、一生の宝物を与えようと。

 

 ぼくが出張などで大阪に行って

 藤森さんに「今、大阪です」と連絡すると、

 どんな時だろうと必ずぼくのところまで

 クルマで飛んできて、御馳走してくれます。

 彼は、どんな小さなことへの御礼や

 感謝のきもちをわすれません。

 今回も、摂陵ラグビー部のみなさんから、

 御礼のメッセージ色紙が届いているのを見て、

 「あぁ、一生懸命つくってよかった」と思いました。

 勇気をもらいました。ありがとうございました。

 

 ご飯を食べながら、彼はいつも話します。 

 「絶対にアイツらを花園に連れていかせて、

 最高の高校生活にしてあげたいんだよね」。

 そう話すときの目の真剣さと言ったら。

 そこに「自分のため」とか「忙しい」とか、

 そんな言葉はひとつもありません。

 すべて「誰かに喜んでもらうため」で、

 「お金をもらわない仕事の価値」がある。

 お互い仕事はちがっても、根っこのところは同じで、

 いつも刺激をもらっています。

 

・話が長くなりました。

 (話の長いコーチが大嫌いでした)

 つまり、これまで1485文字も使って

 何を言いたかったのかというと、

 『キミたちの先生は最高の先生だぞっ!』

 『その先生を信じて花園に行くんだぞっ!』

 『色紙ありがとう。泣いたぞっ!』

 ということです。

 

 あ、ひとつ大事なことをわすれていました。

 花園に出場するときは、

 交通費とチケット代くらい出してねっ♡

 

吉谷 吾郎