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コーチ部屋 2016/6

気宇壮大

投稿日時:2016/06/17(金) 06:16

さっそく更新が滞ってしまいました。
さて、6月。太陽の光と恵みの雨を浴びて、生物たちが満ち満ちていく様子と、“鬼”のフィットネスを提示されて、低く低くうつむいていくきみたちとのコントラストが鮮やかに映える、そんな“熱い”夏がスタートです。
 
先生が最近、冷やかし程度に練習に参加するのは、「生涯スポーツ」と「悪玉コレステロール撲滅」の観点によるものですが、きみたちはこれから行っていく「戦術」に耐えうる器を、この短い期間で完成させないといけません。辛いです。でも、辛いことを楽しく、楽しいことを真剣に、です。
 
さて、少し前のミーティングで「尊敬」という話がありました(覚えていますか!?)。前回の「責任」に引き続き、これもまた難しい言葉だと思います。今回は大学時代の思い出を少し。
 
ラグビー部では、4年生が卒部する最後の日に、下級生が白い練習着にメッセージを書いて貰う、という伝統があります。今日までの人生の中で「宝物」を選ぶとすれば、1年時に同じポジション(バックスリー)の4年生に書いてもらった練習着は、その1つです。文字が薄くなる度、何度もなぞり直して(着なければよかったのですが)、忘れないようにした言葉の数々は、その後の僕の行動の指針となり続けました。
 
当時の感情を「尊敬」と呼ぶのならば(多分そうなのでしょう)、それは僕のラグビー人生において、とても希有で素敵な時間でした。僕の憧れたその人たちは、偉ぶる様子は微塵もなくて、部室で聞こえてくる話はいつも面白くて、そして、フィールドに立てば、仲間から絶対の「信頼」を寄せられる存在でした。「プレーヤー」としてはもとより、とても大きな「人間」としての魅力を放っていました。
 
周囲から「信頼」されるということ―。入部式で宣言した言葉を今でも思い出します。「歴代のWTBの先輩に負けないプレーヤーになる」。大言壮語の後で、4年生と共にプレーした1年間、自分は「信頼」に値しないということを、試合中にボールが回ってこない、という現実で突きつけられました。だからこそ、その人たちが一層眩しく見えたのだと思います。自分自身は情けなくて悔しいけれど、その背中はいつも格好良かった。4年生が去った後の残りの時間はすべて、貰った言葉を道標に、「信頼」の在処を探し続けた日々でした。
 
3年生。残り少ない時間。大きな「人間」としての“放物線”を描きましょう。きみたちが最後まで諦めずに残すその軌跡に、“虹”のような美しさを感じ取り、心を震わせる者がきっと現れます。きみを志して、次の時代を築いていく。それは変わることのない「先輩」と「後輩」の歴史。「権力」や「服従」などではない、「尊敬」の上に成り立ってきた崇高な歴史です。さあ、ここから。雨ニモマケズ 鬼ニモマケズ、ですよ!
 
【気宇壮大 ~物事に対する心がまえが大きくて立派なこと~】