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部員部屋

早慶戦 観戦記

投稿日時:2010/12/01(水) 23:45

コーチの藤森です。

前回、質問した慶応が立てた作戦はわかりましたでしょうか?

一つ目は、早稲田のカウンターATを封じることです。

早稲田にはカウンター能力に長けているFB井口がいたので、慶応は自陣から回してオープンサイドのWTBとCTBをカウンターに参加させないように大外で一回ラックを作っていました。

これにより、早稲田はキックが蹴られたときFBが一人の状態に陥り、効果的なATができなかっという訳です。

回さずに蹴れば、2人のWTBとFBが攻撃に参加できます。また、CTBもカウンターに参加できるので効果的なATができますが、慶応が回したことにより、オープンサイドにボールを持っていく方法が消され、さらには回されたことでWTBにFBからリターンパスなどの方法がなくなってしまいました。

これが慶応が立てた作戦の一つ目だと感じました。


二つ目は、ブレイクダウンでいつもよりファイトすることだったと思います。

今季の早稲田はボールを回して、速いテンポでラグビーをするチーム。

それに対して、慶応はブレイクダウンでスローボールにさせることを徹底していました。

これは昔、関東学院が早稲田と対戦するときに、セットプレーとブレイクダウンを崩壊させるようなイメージでしたね。


三つ目は、モールATをさせないこと。

慶応はモールに入らず(慶応が入っていないので正式にはモールは形成されていませんが)オブストラクションを誘っていたことです。

しかし、レフリーとのコミュニケーション、解釈の違いで危険なプレーをとられていましたが、ルールの穴をついてきていました。

モールを組まれると止めるのはなかなか難しいものです。なので、そもそもモールにしないということを作戦として立てていましたね。


とは言っても、作戦を立ててもそれを的確に実行するだけの能力がなければ意味がないわけですが、慶応の選手は的確に実行していたので、とても良いチームだと思います。


唯一、慶応がミスを犯したなと思うのは、残り3分ぐらいの攻防ですね。

負けてはいないので大きなミスには繋がりませんでしたが、あのボールをキープする場面で中央にボールを運ぶことは、危険ですね。

もしも、ペナルティーを取られた場合、確実に3点が入ります。

ボールをキープするならタッチラインに近いところでラックを作り続ける必要があったと思います。

まあ早稲田が負けたので何も言えませんが・・・・・・


久々に早稲田のプレーを見ましたが、昨年と異なる点が多くあり、今年はこのような点に力を入れているんだなと見ていて感じました。

お互いの戦術がぶつかりあったレベルの高い試合だったと思います。

改めてラグビーは頭の部分が大事であると認識させられました。

うちの生徒にもこのぐらいのレベルになるまで早稲田の理論、ラグビー知識を吹き込みたいと思います。



ラグビー部員はテストが近いのでしっかりと勉強するように。